第6世界。いいえ、ここは別の並行世界

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 落ちた場所は、神社の祠だったらしい。  目の前にあるこんな祠、意識したこともなかった。 「羅衣さん、1つ注意しておきます。羅衣さんは幽霊ですので現世には干渉できません。私も未来を変えるようなことに直接は干渉できません」 「分かった。覚えとく」 「私の記憶では、以前にもここに隕石が落ちたはずですよ」 「そうなの⁉︎」 「ええ。100年以上は前だったと思いますが」 「……あんた、何歳?」 「覚えてません。数えるのが面倒くさいので」 「何それ。面倒くさい、で忘れてるの⁉︎」 「問題はこの祠ですね」  無視。ガン無視。  いい度胸してるわね、神様。 「中には何が入っているのでしょうか」  キイーッ。 「ちょ、ちょっと!何、勝手に開けてんのよ!ダメでしょ、開けちゃ!」 「私、神様なんで」 「そういうもんじゃないでしょ!祠っていうのは神様がゆっくりしておられるところよ!」 「謝りますって。これがもし、()()ならね」  え? 「この石ですよ。この祠には、これしか入ってません。何でしょうか。チカラはあるみたいですが」  神様の手に、大福のように丸い石が乗っている。 「もしかしたら、この石に関係があるかもしれませんね。チカラを持っている石というのが気になります」 「そうなの?」  ってか、「チカラ」って何よ。 「ええ。ちなみに、『チカラ』というのは霊力や魔力のような類のものを指していますからね」  その情報、先に教えてほしかったんだけど。  つまり、チカラを持った石がないから、その石が珍しいんでしょ? 「この石のチカラが何なのか、調べてもいいですか?」 「いいけど。どうやって?」 「チカラには特徴があるんです。その特徴をチカラを持つ者の特徴と似ているかどうかを調べます。神の持ち物であれば、物が神のチカラの影響を受けてチカラが似るので、それも分かりますよ」 「分かった。頑張ってね」 「はい」
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