2人が本棚に入れています
本棚に追加
落ちた場所は、神社の祠だったらしい。
目の前にあるこんな祠、意識したこともなかった。
「羅衣さん、1つ注意しておきます。羅衣さんは幽霊ですので現世には干渉できません。私も未来を変えるようなことに直接は干渉できません」
「分かった。覚えとく」
「私の記憶では、以前にもここに隕石が落ちたはずですよ」
「そうなの⁉︎」
「ええ。100年以上は前だったと思いますが」
「……あんた、何歳?」
「覚えてません。数えるのが面倒くさいので」
「何それ。面倒くさい、で忘れてるの⁉︎」
「問題はこの祠ですね」
無視。ガン無視。
いい度胸してるわね、神様。
「中には何が入っているのでしょうか」
キイーッ。
「ちょ、ちょっと!何、勝手に開けてんのよ!ダメでしょ、開けちゃ!」
「私、神様なんで」
「そういうもんじゃないでしょ!祠っていうのは神様がゆっくりしておられるところよ!」
「謝りますって。これがもし、神様ならね」
え?
「この石ですよ。この祠には、これしか入ってません。何でしょうか。チカラはあるみたいですが」
神様の手に、大福のように丸い石が乗っている。
「もしかしたら、この石に関係があるかもしれませんね。チカラを持っている石というのが気になります」
「そうなの?」
ってか、「チカラ」って何よ。
「ええ。ちなみに、『チカラ』というのは霊力や魔力のような類のものを指していますからね」
その情報、先に教えてほしかったんだけど。
つまり、チカラを持った石がないから、その石が珍しいんでしょ?
「この石のチカラが何なのか、調べてもいいですか?」
「いいけど。どうやって?」
「チカラには特徴があるんです。その特徴をチカラを持つ者の特徴と似ているかどうかを調べます。神の持ち物であれば、物が神のチカラの影響を受けてチカラが似るので、それも分かりますよ」
「分かった。頑張ってね」
「はい」
最初のコメントを投稿しよう!