光るの、魂は

3/5
前へ
/24ページ
次へ
「人間はね、生きる意味を知らないんだよ」  机に座って私の目の前でお茶を飲む、緩いカールのかかった茶髪の女の神様が口を開く。 「生きる意味を?」 「そう。結局、生きる意味を見つけられずに死ぬ人もいる。でも、皆、不幸じゃない。幸せな人と不幸な人がいる」 「幸せな人もいるんですか」 「ええ。でも、そのような人は生きる意味を見つけているけれど」  見つけている? 「いつの間にか、その日常が生きる意味になってるの」 「でもね、大きなイベントで行動する、その行動が生きる意味になる人もいる。その行動をする決意を決めたとき、人間の魂が淡く光るの」 「光る?」 「ええ。光は、強くない。でも、見とれちゃうのよ。不思議とね」  彼女は、美しく微笑んだ。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加