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ひとしきり喚いてから僕は顔を上げた。
「無理矢理ヤっとけばよかった……。俺ので虜にしとけばよかった……。めげずにもっとじっくり付き合えばよかった……」
僕がそう言うと、梶先輩はハイハイと肩をすくめて唐揚げに添えてあったレモンを食べていた。酸っぱくないのかな。
「出た出た。暗黒宮村が出てきたよ」
「俺、セックスには自信あるんです。一発ヤったら堕ちない女はいませんでした」
「暗黒宮村、一人称かわってるぞ」
「とろっとろに甘やかして『宮村くんの[自主規制]なしじゃ生きていけない!』ってしとけばよかった」
「……案外そうかもな……」
梶先輩が無表情で呟いた一言に、僕は首を傾げて聞き返した。
「はあ? どういう事ですか?」
「いや、総務の斎木……あれが上松と仲良いから、ちらほら聞くんだけど」
物凄く嫌な事を言われる気がする。
恐る恐る僕は聞いた。
「何ですか……?」
「……その、上松の婚約者、夜が凄いって」
「うわーん!!! 聞きたくないっ!!!」
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