先生が私の家に初めてのお泊まり_1

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 お昼休みのランチに外に出るのは久しぶりだったので、少し歩いて東京駅の駅舎の見えるカフェへ行った。サラダを食べながら、合コンの件について真由に説明した。 「裁判官って聞くと、お堅い感じがするかもしれないけど、優しくて良い人だから」 「公務員と弁護士! 私も行きたいわ~!」 「圭くんに怒られるよ」  私がそう言うと、少し沈黙したあとで真由が笑った。 「…………うん、そうだね。じゃ、何人か声かけよっか。あんまり口軽い子はだめだよね、きっと。こそっと募ってみるわ」 「ありがとう」  移動時間もあるし、そんなにのんびりもしてられないので、食後のコーヒーはアイスにしてもらって一気に飲み干した。  時計をみて、そろそろ戻ろうかと身支度していたら、桐木先生から連絡がきた。 『今日会えるか?』  つい、今朝まで一緒にいたのに、また会いたいって思ってもらえるのうれしい。私だって会いたい。許されるならずっと側にいたい。  でも、正直、家には帰りたい……。先生の家で洗濯はさせてもらったけど、週末ずっと出掛けてたから部屋の換気とか掃除もしたい。  私はどう返信しようか躊躇った。
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