減点方式

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「……正直ね、今後のこととか考えちゃうんだよね」  私は今度はゆっくりとフォークを置いた。 「学生の頃から付き合っててもう5年になるし、同棲もしてるし、このまま結婚かなあとか考えてるんだけどね。でも本当にこの人でいいのかな、とも」  減点方式タイプ。  それはまさしくその通りで、基準が100点だから私は彼をこれ以上喜ばせることはできない。  ファッションを勉強しても、髪型を飾っても。 「どれだけ頑張っても、私は彼の中で101点にはなれないんだよね」  ただただ、減点されないように気を付けるだけの毎日。  それが一生続くの? 「……ちょっと、やだなって」 「麗花さん……」  俯いた私の上から里紗ちゃんの声が聞こえる。
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