守りたい

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守りたい

「あの化粧品、調子どうですか?」 「すごいよあれ。次の日の化粧のノリが全然違う!」    数日後の昼休憩。  中華料理屋でシュウマイ定食を食べながら、里紗ちゃんに経過報告をしていた。 「よかったです。ああいうのって人によって合う合わないがあるから、どうかなって思ってました」 「ね、でも私にはすごく合ってるみたい。もうすぐ試供品も無くなっちゃうし、ちゃんと新しいの買おうかなって思ってるくらいよ」 「あ、それなんですけど」  里紗ちゃんは持っていた小さなバッグから透明な小袋を取り出す。  中にはこの前の試供品よりも大きい半透明のボトルが入っていた。 「わたしも結構気に入っちゃって、試供品無くなったから新しいの買ったんです。だからおすそ分けです」 「え……いいの? しかもこんな大きいボトルで」 「いいんですいいんです。100均の容器でお洒落感はないですけど、良ければ」 「嬉しい、けど。いいのかな?」 「はい。麗花さんに幸せになってもらえればいいんです」  里紗ちゃんはいつものようにかわいく笑う。 「でも何で私にそこまでしてくれるの?」 「そりゃあ普段からお世話になってる先輩ですし」  それに、と彼女は続ける。
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