シークエンス 1

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シークエンス 1

ちょっと変わった子供がいた。 丘の上、5才ぐらいの男の子が、夕暮れの空を見上げている。 手に持っているのは懐中電灯だろうか? だとすれば、それは小さな体に、少し大き過ぎる懐中電灯だった。 足元で風に揺れる草と、オレンジ色の雲の間に立つその子は、微動だにせず、全身で空を受け止めている。 執筆に行き詰まり、丘陵公園まで散歩にやって来た私は、この男の子が気になって動けなくなっていた。 “いったい何をしているのだろうか…しかし、何にせよこれは、ネタになりそうだな…” そう思った私は、近くのベンチに腰を下ろし、缶コーヒーを片手に見守る事にしたのだった。
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