創世

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創世

 花  咲いて  蕾からほとほとと落ちていた音が  やむ  こぼれる香り  広がってゆく色  命の存在  ふたり繋いでいた手を離し  そっと、両の手で汲みあげる。  尊い味がした。  きれいな色だった。  こんなにもな何かがこの世にあること  さいわいなのか  ふきつなのか  判断できなくとも奇跡と知った。  踏み荒らされた花畑  二度と帰らないと思われた世界  御影石の黒い影が異なり  語る  此岸において彼岸のこと  彼岸にあって此岸のこと  みんなで聞いた  このあとの命のためにみんなで学んだ  知った  それは大人になることだった。  不器用ながらに育まれたそれ  世界とか子供とか鳥とか花  すべてがそのままの姿でここにあり  生きていた。  みんなで明日は踏みだすそこ。  世界とはそれだ。  今もここにあり  みんなで色を添え形にし共有する  聴こえる音色もなんて素敵  ヒトと人が交わった結果  交差点で立ち止まって音楽をON  青信号を待って渡る  今、ここに。  家に帰ったら  風呂してメシで宿題やって  さてと  今夜も何作り見えないはらからと何語るかな?  私にもできる創世の技にて。
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