うたがきこえた

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うたがきこえた

 あああああah!  to  ああaaahh!  と  とぎれない悲鳴を聞いた  とても耳障りで、ひどい音だった。  そう音。  大人にはそう聞こえた。  でも子どもは違った。  正しいメッセージを聴いて取った。  地球さんの自分を讃える歌  地球讃歌だった。  人類の耳など無視した  彼女の自我の唄声だった。  私もいちおう大人なら  残念ながら悲鳴しか聞けなかった。  しかしこないだ公園で  女子高生たちが噂してた。  人類の誕生はひょっとして  ミラクル  なんかじゃなくて  アクシデントだったかもよ?  ヤバくない?  ねー?  かもしれないそんなかもしれないを  胸に  子どもらは大人になり  哀しみにみちた愛のなか  ささやかな光をわけあうように  そっと星を再生すべく生きます。  もうすでに  国境も宗教も戦争も  そんなもの子ども達は  超越したレベルで生き抜く覚悟で  毎日  お母さんのごはんを食べて  お父さんの肩をたたいてんです。
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