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「情けない、じつに、情けない」
神様は、『お天気部』のオフィスの扉を開けるなり、そう言い放った。
扉の向こうでは、社員たちが働きもせず、ぺちゃくちゃ会話に花を咲かせ、菓子袋を広げてどんちゃん騒ぎをしている最中である。その光景を目にして、さらに呆れて絶句する。
「知らんのか。今地上では、雨が降り続け、もう二週間もやんでいないのだ。貴様らに、この意味が分かるか」
「はっ!私どもの堕落した勤務態度によるものです」
数名の比較的真面目な社員は即座にしゃんと姿勢を正したが、その背後からは、
「えー、だって梅雨前線が動いてくれないんだもん」
だの、
「雨を喜ぶ連中もいますよ?カエルとか」
だの、好き勝手な声が飛んでくる。
神様はさらに怒った。
「そのような怠惰ぶりで、なーにが『てるてる坊主』だ、照らしてからそう名乗れ。いいか、このまま貴様らが雨をやませなければ、全員クビだ。それが嫌ならば、各自阻止すべく必死で励むように」
───バタン。神様がお帰りになると、さっきまで騒がしかったオフィス内は打って変わって冷たい静けさに包まれた。静寂の中、───ああ確かに、窓の外で響いている。地上に降り注ぐ、無慈悲なる雨粒の音が。
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