プロローグ

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プロローグ

 満天の星空に、(はかな)い光が一筋(ひとすじ)流れた。  誰の目にも止まらずとも、そこには確かに存在した、熱。  散りばめられたソレに、気がつく者はあるだろうか―― ?  その(いおり)には、誰かの心が  その空間には、誰かの涙が  その(めい)には、誰かの想いが  その脳裏(のうり)には、幸せな記憶が()まっているのに。  天の川は、キラキラと(またた)きながら夜空を流れる。  年に一度の逢瀬(おうせ)を、そっと見守るように。
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