起動

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「これ、アンドロイドか?」 「おい!!誰か!手伝ってくれ!」 数日後… 「よし、これで動くようになるはずだ...」 N1 強制スリープモードから起動中 メモリー、及び各パーツ破損 新たなメモリー、パーツが装着された為初期化を開始します メモリー OK ヘッド OK ボディ及びコア OK アーム OK レッグ OK 全ての機能が正常な事を確認。 BASEへの接続 NG ダウンロード NG メモリー初期状態で起動 N1 起動 「これで…よしっ」 私は少し目を開けると 眩しいくらいのライトを顔に当てられていた、 横を向くと赤いハンチング帽を被った口髭と顎髭を蓄えた男が笑顔でこちらを見つめている 「どうだ喋れるか?」 私はその問いに答えた。 「あぁ…」 「おぉそうか!よし!俺も久々にやれば出来る男だ!」 「おーい!ミーナ!こいつ動いたぞ」 男は立ち上がり奥の部屋に向かって話しかけ誰かを呼んでいるようだ 「え!お父さん本当!?流石だね!」 奥の部屋から出てきのは金色の髪の毛のショートカットが綺麗な女性だった。 「もう喋れるの?」 「あぁ大丈夫だぞ、見ての通り元気だ」 「こんにちは!私、ミーナ。貴方は?ずいぶん長い間地面に埋まってたみたいだけど大丈夫?」 彼女は私の顔を覗き込んでくるように言った。 「私は…此処は…どこだ。」 「あーメモリーが一部破損しててな。」 「修理は出来たんだが、どうやら今までの記憶は初期化で消えちまったみたいだな…」 原因はわからないが ミーナが言うには、どうやら私は長い間地中に埋まっており 多くの部品が破損をしていたがコア本体は壊れておらず 強制スリープモードの状態で発見されたようだ その為、私のメモリーには「初期化された」という情報しか残っていない。 アンドロイド達は個々の記憶を各地域に配置されているサーバにネットワークで接続されており クラウド上に自動で記憶を保存されるようになっている。 通称:BASE と呼ばれている。 本来、メモリー等が壊れた場合はメモリーを交換した際にクラウドに接続し、今までの記憶をBASEからダウンロードするという流れだ。 しかし、私が起きてから一晩明け 今朝からBASEへ何度接続を試みても繋がらない。 「おかしいな...」 「どうしたの?」 ミーナが不思議そうにこちらに話しかけてくれた。 BASEについて説明してみた。 「あーなるほど!それで悩んでたのね。」 「そうだなー…私はわかんないし、お父さん今家に居ないから…、家から出て他のアンドロイドに聞いてみたらどう?」 「この町には他にもアンドロイドがいるから、今日は外に出て話をしてくるといいよ!」 「そうか…じゃぁ、情報収集の為に少し外へ出てみるよ」 「それがいいよ、いってらっしゃい!」 「今は君の家はここしかないから戻っておいでね」 ミーナはそういうと笑顔で私に手を振って見送ってくれた 「家か…」 少し温かな気持ちになった。 「と、言ったもののどこへ行けば…」 そう思いつつも私は扉に手をかけた 少し錆び付いた重たい扉は音を鳴らしながら開いた 私は一歩前へ進んでいき太陽の元へ出て空を見上げた そこには青い、青い空があった そして目線を下に落とすと この辺りは岩山で、岩山に窓や扉が付いており、他にも木造の小屋等が複数建っている事が確認できた。 「すごい…」 白い岩肌に作られたその村は、 アンドロイドの私から見ても 美しい そう思えた。 「おい!おまえ…」 そんな事を考えていると突然酔っ払いのおじさんに話しかけられたのである 「見ない顔だなぁ…どうせテオスのところのアンドロイドだろぉ…」 「けっ!どっか行きやがれ!アンドロイドの顔もみたくねぇ!」 めんどうなおじさんに絡まれてしまった… しかし、なぜアンドロイドをこんなにも毛嫌いするんだろうか… 「す、すいません…」 「そんな顔しても許さねぇんだからなぁ!!」 そうしている内に 家の中からミーナが怖い顔をして現れた。 「こら、おじさん!またアンドロイドに文句言って!いい加減にして!」 「この人とあの事は関係ないでしょ!」 おじさんはミーナに怒られて不機嫌そうな顔のまま、 そそくさとどこかへ行った。 「あーごめんね...このおじさん酔っ払ってアンドロイド見るといっつもああなの...」 「そういえば、アンドロイドが居る場所なんだけどこの道を真っすぐ行けばBARがあってね、そのBARのマスターがアンドロイドだからもしかしたら何かわかるかもしれない!」 「真っすぐか、わかったそのBARに行ってみるよ」 そして僕はBARでおじさんが怒っていた理由を知る事になる…
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