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「これ欲しかったの! 自分で買うにはちょっと高くて、どうしよっかなって思ってたんだぁ」
彼女がそれを広げると、ちょっとしたひざ掛けのような物だ。そこに小さなフードらしき物が付いている。
「これ、何?」
「ベビーブランケット。これね、フードも付いてるからおくるみにしてもいいし、ちょっとした時の掛け布団代わりにもなるんだよね。わぁ、ふわふわ」
なるほど。まだ1月。暫く寒い時期は続くから活躍するだろうし、次に肌寒くなる時期には大きくなってるけど、寝てしまった時に掛けるなら長く使えそうだ。
「これ、今人気あるの。赤ちゃんの肌にも優しいって。嬉しい。洗い替えまである」
亜由は本当に嬉しそうだ。
これを選んだのは親父じゃないだろうな。きっと、しおんさんだ。
ちゃんと人気の、使える品を選んでくれた。派手な色は好まない、というのも汲んでのこのセレクトだろう。
「このくまちゃん、そこのブランドのキャラクターなんだよ。可愛い。ねぇ、ほら」
亜由がそのテディベアを振ると、チリンチリンと鈴が鳴る。
「これ、ショップ限定なんだよね。ネットだと買えないの」
「へぇ…」
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