【短編】暖かく煌めくHappyな未来がありますように

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　家族の同意が必要な場面はいくらでもある。近頃は同性パートナーの同意も積極的に採用されるようだけれど、俺がそこへ出て行って、長男の権利を主張すれば勝ってしまうのではないだろうか。
「あんたに、認めろって強制する気はないわよ。あんたがお父さんをどう思うか、何をしてあげんのかは自分で考えたらいいわ」
　そこで、お袋は言葉を区切って頬杖をつく。
「私は、和馬としおんくんの友達として、当たり前のことを当たり前に出来る手伝いをしたいだけ」
　当たり前のことは、当たり前に出来るものだと思ってた。いや、当たり前なんだから、考えたこともなかった。
「……ちょっと考えさせてくれ」
　今は、そうとしか言えない。よく知りもしない男に実の親父の全てを任せる決断は、すぐには出来ない。
　俺の顔を見て、お袋はケラケラと笑った。
「難しく考えることないのよ？　お父さんが好きな人と一緒になっただけの単純な話なんだから」
　そう言われればそうだ。もし、相手が女性で入籍しているのなら、「任せられるのか」なんて考えもしなかったはずだ。
　そうとわかっていても、あと少しのハードルをすぐには越えられない。