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リクエストした中でも、一番長く12歳頃まで使えるタイプのベビーシートだ。派手な色じゃないのがいい、と言い添えておいたから、ちゃんと黒とグレーのツートンカラー。
「明日、車に取り付けちゃお。ここに置いとくには大きいし」
「だな。ここにあっても意味ないしな」
明日はちょうど休みだ。すぐに片付けてしまおう。本体をもう一度ダンボールに押し込み、部屋の片隅に寄せる。
「そこの荷物もお義父さんから。そっちも開けてみて」
見ると、テーブルにもう一つ箱がある。こっちの伝票もしおんさんの字だ。全部しおんさんにやってもらってる。初孫の祝いを任せるほど、信頼出来る仲だということなのか。
ダンボールを開けると、中から淡いシャンパンゴールドのリボンがかかった、白いギフトボックスが現れた。
そっと取り出す。さほど重くはない。
「開けるぞ?」
一応、お腹の中の娘と亜由に向けての贈り物なんだから、一言断る。
リボンをほどき、蓋を開けた。中に入っているのは、モスグリーンとオフホワイトの柔らかな布地が、多分2枚。その上に、小さなテディベアのぬいぐるみが添えてある。
「あっ、これ!」
亜由は手を伸ばして、モスグリーンの方をを取り出す。
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