120.できそこないの○と×

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 確かに私達ばかりが盛り上がっていても、会場が普段通りの光景ならただの宴会のようになってしまうし、その健気な嵐の努力はありがたい。……なんでユミとおやっさんと私シリーズ限定なのかは謎だけど。(しかも、1000円で販売しちゃうところがさすがリクのオジサンである) 「そ、そっか……あ、ありがとう……」 「礼は、サバゲー勝者報酬デートの日に、お前が手作り弁当を作ってきてくれればそれでいい」  頬を染め、目をそらしながら男の浪漫をポソッと呟く嵐。デートの件、しっかり覚えてるのか……。  まぁ、確かにユミは喜ぶだろう。でも目立つことが苦手な私にとってはちょっと恥ずかしいんですが……なんて、口が裂けても言えない。    ――とにもかくにも、リク以外のメンバーが揃ったせいか控室がかなりの人数になったところで、いよいよショーの開演時間を迎え、舞台の袖まで移動することになった。  途中で一緒に踊ってくれる何人かのお姉系スタッフさんとも合流し、袖幕に隠れなから場内の様子を探る。相変わらずオジサンやおじいちゃんでビッシリと埋め尽くされた場内。
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