9 HAPPY END

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『ついさっき二人の婚姻届が受理されたわ』 『結婚、おめでとう!』 『本当におめでとう!』 丸いテーブルの上に置かれた直生の携帯に。 代理人として市役所に行った大嶋さんから、 熱いメッセージとスタンプが送られてくる。 待ち望んだ知らせを二人で見た私と直生は、 ソファから腰を上げた。 実際の結婚式は来秋に挙げることが決まった けれど、入籍した今日はやっぱり特別な日。 だから。 場所は、教会じゃなくてホワイトデーを過ご した夜と同じホテルのとある一室に宿泊し、 自分は、ウェディングドレスに見立てた白の ワンピースを着用して。 直生は、いつにも増して素敵なスーツ姿で、 照明の下で向き合った。 一生に一度のことだから二人で何かしたい。 これは、私と直生だけの模擬結婚式だった。 今夜も窓の外は宝石みたいな夜景が広がり、 キラキラと輝いている。 まるで祝福されているかのような心持ちだ。 「愛也。 病める時も健やかなる時も一緒にいような」 「はい」
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