9 HAPPY END

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「んっ、んんん、ん!」 あっけなく達した体がびくびくと痙攣する。 とろとろと溢れた熱が太腿をつたい落ちて、 自分が、どれだけ感じたかを肌で理解した。 次第に震えが収まると中から指が抜かれる。 ここで、直生は向かって右に手を伸ばした。 見れば、その手にあったのは見覚えのある、 シルバーのパッケージ。 噛んで、それを慣れた様子でピッと裂くと、 躊躇いなく身につける。 そういえばバスルームに足を踏み入れた時。 ヘアアクセや洗面道具を置く場所だろうか、 シャワーの下に四角いガラスプレートが取り 付けられていたような。 「愛也」 蕩けて、ぼんやりしていたら頬に触れられ、 意識を呼び起こされる。 体は直生のなすがまま。 左側の脚の膝裏を素早く上に持ち上げられ、 そこに張り詰めた熱が宛がわれたと思うと、 ぐっと、押し込まれる。 「あっ、ああぁぁ……」 逞しい腕がしっかりと支えてくれている中、 悶える。 片足立ちの体勢は自分の体重がのしかかり、 必然と、深くまで受け入れる状態になった。 「俺に、しがみついて」 言われるまま肩に抱きつくと抱きしめられ、 緩やかな律動が始まる。 「ふあ、ぁんっ!ああ」 声なんて我慢できない。 わずかにあった羞恥も放棄して夢中で喘ぐ。
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