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そこから先はあっけないくらいすぐだった。
何度も、緩く往き来された体は絶頂を迎え、
果てる。
びりびりと電気が走るような快楽に襲われ、
背中を、後ろへ反らす。
それでも体勢を崩さずいられたのは直生が、
左手で抱いて支えていてくれたからだった。
「はあ、ぁ……ぁ……」
そっと、広い肩に頭と上半身を預けて浸る。
痺れて、体が動かない。
この時、熱い唇と舌で首筋に口づけられて、
それから汗を舐めとり吸い付かれるけれど、
今の私には喘ぐ気力も残されていなかった。
ちくっ、という感覚が一つ二つと肌に走る。
きっと、今夜一晩でそれは全身につけられ、
明日は、朝から赤面することとなるはずだ。
「愛也、今度は俺のことも気持ちよくして」
はあっ、と湿った息を吐き出したと思うと、
直生が腰を前後させる。
先程までの緩い動きはなんだったのだろう。
そう思わせる激しさに身も心も溺れていく。
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