9 HAPPY END

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「なお、き……、直生」 無我夢中で名前を呼ぶ。 熱くて、頭はくらくらして声も掠れてきて、 先程から慣れない体勢が続いて少し苦しい。 けれど、今はひとときも離れたくなかった。 やっと正式に結ばれた記念すべき夜だから。 触れ合ってその幸せを分かち合いたかった。 「はあ、……ああ……」 びっしょりかいた汗が肌の上を滑り落ちる。 境目も分からなくなるくらい抱きしめられ、 貪られ、甘美に溺れる。 一度上がった感度は落ちていくことはなく。 「愛也」と熱っぽく二度か三度呼ばれたら、 どうしようもなかった。 達して、悲鳴にも似た声をあげて間もなく、 お腹の奥では温もりがじわりと染み渡って、 例えようのない気持ち良さにぞくぞくする。 体温も、吐息も汗も一つに溶けていく感覚。 背筋を震わせながら存分にそれを味わうと、 私はそっと目を閉じた。
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