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5年間、いろんなことを経験して乗り越え、
めでたく入籍した私達。
けれど、変わった点といえば名字くらいで。
結婚式は来秋だし新生活もまだ先だからか、
それからの日々も変わりなく過ぎていった。
11月。
水曜日。
19時。
季節が進み本格的に肌寒くなってきた中旬。
仕事を終えた私は直生のマンションを訪れ、
キッチンで夕食の準備にとりかかっていた。
「あっ、昨日見ました。
ニュースのエンタメコーナーで報道してて」
「ああ、結婚したこと?
マスコミには事務所を通して知らせたから。
いつも思うけど早いな」
職業柄、自分の情報がメディアで報じられる
ことは日常茶飯事で慣れているからだろう。
直生は、いたって平然とした様子で口にし、
サラダに使うレタスをちぎってお皿へ盛る。
エプロン姿の私は隣で玉ねぎを炒めていて。
今夜のメニューはしょうが焼きとごま和え、
サラダ、豆腐とわかめと卵の中華風スープ。
ちなみにしょうが焼きはリクエストだった。
「俺は、首を長くして公表を待ってたから、
やっとかって感じだな」
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