9 HAPPY END

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それでなくても直生が日本に帰国してから、 この5年分を取り戻すようにスキンシップを とっているというのに。 求められると嬉しくて。 好きだから触れたくて。 やっぱり応じてしまう。 「愛也、こっち向いて」 優しく名前を呼ばれると反応してしまって、 ゆっくりと振り向いた。 その瞳に写る自分の顔が少しずつ近づいて、 柔らかな温度が重なる。 誘うように舐められ開くと舌が潜り込んで、 私のお腹に回された腕がさらに引き寄せた。 時折「んん」と声を漏らしながら応えたら、 ますます絡め取られる。 そうして口づけているとぐるんと視界が入れ 替わり、腕に支えられソファに沈んでいく。 驚いた反動で一瞬中断した行為は再開され、 覆い被さる直生は何度も角度を変え貪った。 「もう、……だめ……」 息継ぎの合間にこぼすとようやく止まって、 ちゅっ、と啄まれる唇。 乱れた呼吸を整えていたら頭を撫でられる。 慈しむような表情で見下ろされ頬が染まり、 顔の中心が熱くなった。 「直生」 「ん?」 「あの、今日は……、優しくして欲しくて」
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