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それでなくても直生が日本に帰国してから、
この5年分を取り戻すようにスキンシップを
とっているというのに。
求められると嬉しくて。
好きだから触れたくて。
やっぱり応じてしまう。
「愛也、こっち向いて」
優しく名前を呼ばれると反応してしまって、
ゆっくりと振り向いた。
その瞳に写る自分の顔が少しずつ近づいて、
柔らかな温度が重なる。
誘うように舐められ開くと舌が潜り込んで、
私のお腹に回された腕がさらに引き寄せた。
時折「んん」と声を漏らしながら応えたら、
ますます絡め取られる。
そうして口づけているとぐるんと視界が入れ
替わり、腕に支えられソファに沈んでいく。
驚いた反動で一瞬中断した行為は再開され、
覆い被さる直生は何度も角度を変え貪った。
「もう、……だめ……」
息継ぎの合間にこぼすとようやく止まって、
ちゅっ、と啄まれる唇。
乱れた呼吸を整えていたら頭を撫でられる。
慈しむような表情で見下ろされ頬が染まり、
顔の中心が熱くなった。
「直生」
「ん?」
「あの、今日は……、優しくして欲しくて」
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