9 HAPPY END

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早くも、夫の立場から気遣ってくれる直生。 自身も、息子としてお義母さんと私の仲介を 努めて、場の雰囲気まで作ってくれたから、 疲れているはずなのに。 「私なら大丈夫ですよ。 美味しいプリンと紅茶をごちそうになって、 お義母さんとスイーツのお話できて楽しかっ たです」 笑顔を浮かべながらにこやかに受け答える。 全く疲れてないかと言えば嘘になるけれど、 楽しいひとときを過ごせたのは本当のこと。 なによりこれ以上の心配はかけたくなくて。 「直生こそ息子と夫の役割に徹してくれて。 今日は疲れたでしょう。 ありがとうございます」 自分なりに労いのつもりで口にしたその時、 車線を走っていた車は信号待ちで止まって、 直生が、こちらを向く。 「大事な奥さんだから。 そのくらいしないとな」 そして、おもむろに指の甲で私の頬を撫で、 穏やかな表情を見せた。 「あと、お礼を言うのはこっちのほうだよ。 両親にも歩み寄って上手くやってくれて感謝 してる」 思わず、きゅんとくるような嬉しい言葉で、 温かく、労ってくれる。
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