9 HAPPY END

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「一生、大事にするよ。 愛也も、二人の家族も」 真摯で、飾らない言葉に声もなく感動する。 気配が、伝わったのか。 何も着ていない体を力強くぎゅっと抱かれ、 ほんのりと汗ばむこめかみに口づけられる。 全身で『愛してる』と言われているようで。 ぐっと、込み上げてたまらなくなった私は、 目の前の肌に唇を置く。 すると間もなくして心地よい抱擁は解かれ、 直生が、起き上がった。 ここに来た時は身につけていたスウェットと パンツ、アンダーウェアはすでに床の上だ。 薄暗い寝室で引き締まった体躯を晒しては、 同時に、歯で裂いたそれの中身を纏わせる。 「はあ。 愛也を独り占めできるのは期間限定かもな」 「え?」 「もし家族ができたら生活の中心になるし。 たぶん、ていうか絶対嫉妬する気がする俺」 「ふふ、子供にですか」 可愛い。 ほほえましくてつい笑みをこぼしていると。 「だって愛してるから。 相手が誰とか関係ない」 熱を帯びた瞳で見下ろされたからだろうか。 まだ受け入れてもいないお腹の下が疼いて、 一気に熱くなってくる。 シーツの感触がひんやりと感じられるのは、 それだけ自分が高まってきたという証拠だ。 「大人げなく嫉妬するくらい溺れてるって、 ……分からせてあげる」 左右の脚を抱えられて。 蠱惑的な表情に意識を引き付けられた一瞬、 やけどしそうな熱が押し開いて入ってくる。 「今ので感じちゃった? 可愛い」 答える余裕なんかない。 奥まで到達した感覚に呼吸を乱していれば、 ゆらゆらと揺すられた。
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