9 HAPPY END

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今夜は、お互いの思いを言葉で伝えあって、 愛情を、確かめ合った。 だから、身も心も絆されて熱くなっていて。 とてもゆっくりとした動きでさえ反応して、 ひどく、感じてしまう。 「ひあ」 脚を抱えられたまま腰が浮く体勢に変わる。 上から、より一層見下ろされることとなり、 恥ずかしいなんてものではなかったけれど、 腰から下の自由を腕力で奪われた状態では、 どうしようもなかった。 ゆるゆると揺らされる内に頭の芯が溶けて、 容易く、絶頂に達する。 「あっ、あぁんっ……」 びくん、と体がしなる。 あまりの快感に目には涙が滲んでくる程で。 繋がった場所をひくひくと収縮させながら、 枕元のシーツを握った手をようやく緩める。 「気持ちよくてたまらないって表情してる。 可愛い」 この時、逞しい腰がわずかに後ろへ引かれ、 脚を再び抱え直される。 まさか。 動作で気づいたけれどワンテンポ遅かった。 「だめ、待って、まだだめっ……んあぁっ」 果てたばかりで痙攣しているにも関わらず、 最奥に突きつけられる。 収まらない中を立て続けに刺激された私は、 視界が真っ白になった。 「だめ? きゅって締まってこんなに絡みつくのに?」 色っぽい微笑に問いかけられ真っ赤になる。 これは、今に始まったことじゃないけれど、 わざわざ言い表すところが本当に意地悪だ。 「っあ」 お腹の下に衝撃が走る。 直生は、喉の奥で呻く声を押し殺しながら、 何度も、何度も抉った。 動きは、ベッドが軋むくらいに激しいのに。 汗をかいた肌を舐めて口づける唇は甘くて、 翻弄される一方でもっと夢中にさせられる。
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