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鈴の男気(すずのおとこぎ)3
制作:kaze to kumo club
夜通し会議の結果を要約すると……
どうやら鈴は偶然、学校の屋上から滑り落ちた相川光のでかい尻に潰されて、
絶命したようだった。
ふざけた話だ!
落ちた時、学校の壁側に長くそそり立っていた、何本かの大木に、光が……しがみつこうとしたせいもあって助かったのだ。
まあ~いくつかの切り傷と、シコたま打った……お尻以外は全く無事だったそうだ。
その後、軽い警察ざたになり……鈴の死体は警察署に引き取られ……丁重に埋葬された言う。
しかし、光が最初に気がついたのは……自宅の部屋の鏡前であり、どうやって戻ったのかも……定かではなかったのだ。
つまり、鈴同様に転落と共に意識が飛び……事件の前後が……まるで記憶されていなかったのである。
そんな事があるのか?……と勝気な鈴は……光に迫ってみたが……見た目以上に弱気な光が……嘘をついているようにも見えなかった。
しばらくは……大嫌いな人間になってしまった事を嘆き、深刻に考え込んでいた人型の鈴だったが……数日後には……ケロっとして……光に言った。
「まあ、しゃねえや! なら、人間ライフを楽しむさ! なあ〜、光よ!?」
ニッと笑う鈴はたくましい。
「……そっ、そうね……。あははは……。それがいいわ!」
なんとキップのいい表情をする猫なのかと……なぜか……自分の顔ながらも……感心する……箱入り娘の……光だった。
こうして、ひと一人の身体を……
光の魂と……猫の鈴の男気が……使う事なったのだ!
なにせ、戻る方法など……バカな劣等生の光や……元灰色猫の鈴に分かるはずもない。
よって、現状維持しながらも、家族や知人たちにバレないように……お互い協力する以外にはなかったのである。
それでも、スったモンだの日々を繰り返しつつも……世間知らずの娘、光と元ボス猫の鈴は、ケンカするほど仲のいい関係を……次第に構築して行った。
まあ〜、どんな事があったかは……オイオイ語るとして……次なる事件が起こり始めたのは……それから……3ヶ月が過ぎた頃だった。
3p
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