prologue

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 体内の水分が奪われていくのがわかる……。  いったいなぜ、こんなことになってしまったのだろう。  誰がこんな結末を想像できただろうか。  充血した目が射貫く。血に染まった赤い牙がどんなに足掻こうとも首筋の皮膚に食い込んで放さない。  絶望や悲しみを植え付け、その代わりに幸福だった生活も何もかもを奪い去る。  誰も彼もを魅了する美しい男性の姿はそこにはない。  あるのは化け物と化したそれだけだ。両腕が力なくだらりとぶら下がり、やがて迎えるだろう死を覚悟する。  力のすべてが抜き取られていく――……。  やがて力尽き、冷え切った躰は冷たい土の上に力なく崩れ落ちる。  ――彼女は闇の中、静かに目を閉ざした。  《prologue・完》
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