1 陰キャ喪女だって恋したい!

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1 陰キャ喪女だって恋したい!

営業部の新人エース、宮田君。 人懐っこい笑顔で部署問わず人気者で、会社の飲み会には引っ張りダコの彼を今日も発見出来て、ほぅっと溜息を吐く。 昔からアニメやゲームの二次元の男の子にしか興味を持てなかった私、立花あかりが初めて三次元で好きになった男の人。 好きというか、そんな俗っぽい感情を通り越して。 完全に”推し!” 好きとか愛とかの上位互換。尊い。 そう尊いんです。 昔からの友人(非オタク)に語ったら、「ちょっと何言ってるか分からない」と一蹴されてしまったけれど…。 彼が何をしていても顔がにやけるぐらい、彼なら何でもOKだと思える。 大きく口を開けてあくびしていても可愛いし、同期の子と週末にやっているらしいフットサルの話を笑顔でしているのも素敵だし、ケラケラと下ネタを話している姿すら絵になってしまうぐらい王子様。 最初はただ単にハマっているアニメの堂島君に似てる…と思って見ていただけなのに、今は宮田君自身が気になってしまって仕方ない。 私は昔から二次元と添い遂げるつもりで生きてきた。 そんな重度のオタクなので、悲しい事にリアルでは初恋の私は 推しの宮田君に恋心を持ちつつも、距離の詰め方なんて分かるはずもなくて 今日もただ眺めて 妄想を膨らませるだけだった。
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