3 同級生じゃない。師匠って呼んでいいですか?

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「やーっぱ凝ってるわね。あかりちゃん、ちゃんと湯舟には浸かってる?」 だめよ、シャワーで済ませてばかりじゃあ。そう言いながら春斗は私の腰を優しく揉んでいる。あ、鼻血出そうとか嘘だったわ。そんなエロい展開じゃなかった、うん。…今なら泣けるよ、私? 「ねぇ春斗。一応確認するんだけど、これってもしかして」 「マッサージだけど?」 「だよねー!」 一瞬でも春斗に抱かれるかもなんて、何で想像しちゃったんだろう。 顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。今の体勢がうつ伏せで本当に良かった。頼むから顔は見ないで欲しい。 「駄目ね、あかりちゃん身体固まり過ぎ。今から湯舟に20分は浸かってきて!」 「え、お風呂?」 「そう。このままマッサージしたって効果半減よ。さぁ、早く!」 浴室まで追いやられ、仕方なしに湯舟にお湯を張り始める。 ってか浴室ガラス張り…?! 春斗がこっち見てないとはいえ、恥ずかし過ぎる… まぁエッチしてたかもしれないことを考えたら、今更か。 さっさと服を脱いで、まだお湯の浅い浴槽に腰かけた。 お湯が溜まるまで…ちょっと目を閉じてよう。 今日はあり得ない事の連続過ぎて、完全にキャパオーバー…か、も… 「あ…り、あか…り、あかり、あかり!!」 「…ほぇ?」 身体を引っ張り上げられ、衝撃に目を覚ます。 あれ、お風呂に入って…、それから? 「お風呂で寝るのって、気を失ってるってことなのよ。もう、心配させないでよ…」 「ごめ…ちょっと目を閉じただけのつもりだったんだけど…」 ふらふらする頭に手を当て、反省していると。 そういえば一糸纏わぬ姿だったじゃん☆って思い出して。 「はる、と…お願いだから、バスローブちょうだい…!」 「え…あ」 そこでやっと春斗も私が裸なのに気付いたみたいで。 慌ててバスローブを渡して目を伏せてくれた。 うん、そういう小動物っぽい態度は中学生の頃と同じだわ。 バスローブを着てしっかり紐を占めると、春斗へ向き直った。 「さ、師匠。もう大丈夫だから続きをお願いします」 「…その切り替えの早さもあかりちゃんだよね。うん、じゃあベッドに戻ろっか」 その夜はこれでもかってくらいの丁寧なマッサージを受けて、自分で出来るマッサージ方法や就寝前のストレッチ、フェイスパック、そして何より睡眠時間の大切さのレクチャーを受けた後、二人で広いベッドで寝た。 うん、清々しいくらい、何もなかった。
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