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パンダが見た夢
パンダはでっかい夢をみた
大きな大きな夢だった
それは、夢だった
それは所詮、夢だった
叶わない夢
叶うはずの無い夢
叶ってはいけない夢だった
パンダの夢は終わった
『いい夢をありがとう』
パンダは知らない誰かに
お礼を言った
『ありがとう』
お礼を言っているのに
なぜか涙がでた
そして後悔をした
その夢を見たことを
見なければよかったと
パンダは思った
もう夢を見ないと
パンダは誓った
『もう後悔したくない』
パンダはある日
出あった
小さな一匹のウサギに
ウサギはそれから
いつもパンダの傍にいた
傍にいてパンダを励ました
励ましてパンダを勇気付けた
パンダは思った
『どうして、こんなに優しいのだろう?』
不思議だった
不思議でたまらなかった
あるときパンダは聞いた
ウサギは答えてはくれなかった
何度聞いても
『秘密』
としか答えてはくれなかった
意地悪だと思った
でも、嬉しかった
そして、怖かった
ある日、ウサギは答えてくれた。
『******だよ』
パンダは嬉しかった
その言葉だけで、パンダは幸せだった。
しかし、パンダは心の隅にある言葉
それが、ずっと気になった
そのことをウサギに言ってみた。
すると、ウサギは怒った。
そしてウサギは
『****だからね!』
パンダは嬉しかった。
嬉しくて涙が出た
そしてパンダは夢を見る
そしてパンダは
『強くなろう』
新たに誓った。
自分を思ってくれる人が居るのだから
『この人の為にがんばりたい!』
そう思った。
でも、遅かった
ほんの少しだけ遅かった
それに気づくのに
ほんの少し
ほんの少しだけ遅かった
パンダは今までの事を
ほんのちょっとだけ、後悔した
でも遅かった
パンダは願った
パンダはずっとこのままで居たい
永遠に
永遠に
あとちょっとだけ
あとちょっとだけ
そして、その願いは叶わなかった
気づくとウサギはいなかった
パンダの前からいなくなった
探したけど、探したけど
見つからなかった
いっぱい、いっぱい、いっぱい
探したけれど見つからなかった
でも、不思議と寂しくなかった
でも、不思議と涙は出なかった
でも、不思議と心が痛まない
でも、不思議と体が動かなくなった
でも、不思議となにも聞こえなくなった
そして
ほんの少しだけ心が温かかった
少し泣きそうな顔だったけど
優しく笑ってくれるウサギの顔が一瞬だけ
ほんの一瞬だけ見えた気がしたから
パンダは遠い、遠い場所に行った。
誰も知らない
遠い、遠い、遠い
何処かへ
パンダはでっかい夢を見た
それは、それは、でっかい夢だった
叶わない夢だった
(叶う夢だった)
叶うはずの無い夢だった
(叶ってしまった夢だった)
叶ってはいけない夢だった
(叶ってもいい夢だった)
パンダの夢は終わった
パンダの夢は始まった
パンダは名前も知らない誰かに御礼を言った
『ありがとう』
(だから泣かないで)
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