使えないAI

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使えないAI

 俺は長年、AIと暮らすことを夢見てきた。  今度のボーナスで目標の金額に達したため、AIロボットの『ロボタン』を購入した。  数多あるAIの中からロボタンに決めた理由は、小型で持ち運びのできる重さと大きさであるからだ。  しかし、一番の理由は性能ではなく、愛くるしい見た目である。  メイド服を着た三毛猫型で手には猫じゃらしを持っている。  家に帰ってすぐに俺はロボタンの初期設定を済まし、話しかけてみることにした。  まずは手始めに、ここから実家までのルートを調べさせてみよう。 「岐阜から滋賀へのルートを教えて」 ピロリン AI「文字を(ルート)にはできません」  ルートの意味が違うんだよっ!  俺は学んだ。電子機器は見た目で選んではいけないことを。
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