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60  もちろんピンチの時には助けてやるで。子は親の背中を見て育つ言うし、尊敬される父親にならなアカンからな。 59 『おとーちゃーん、見てぇーっ』  あ! アイツいつの間に木の上に! しかもあんな高いところまで登りよって! 待ってろ、今助けたる! 58  やれやれ、こない高いところまで登ってからに。全く、わんぱく坊主め……。  …………!  し、しもうた! ワイ、子どもの頃木から落ちて以来高いとこダメやったんや! ひぃいぃ! 誰か降ろしてえぇーーっ! 57  ……って、なんでやねん。カッコ悪すぎやろ。こうならないために高所恐怖症も克服せなアカンやんけ。 56  小学校に上がったらますます色んな問題が起こりそうやなぁ。もしイジメにでもおうたらすぐに気づいてやらんと。どんな些細な変化も見逃さへんで。 55  おい、その顔の傷どないしたんや? 『なんでもあらへん』  なんでもあらへんわけないやろ。誰にやられたんや。お父ちゃんが相手の悪ガキにガツンと言うたる! 54 プルルルル……  ん? 電話や。もしもし……そうですが……あっ、担任の先生でっか? ……へ? ウチの子が、同級生五人も相手に喧嘩して全員泣かせた? そ、それはえろうすんません。相手の親御さんにも謝っときますわ。 53  ……なんでやろ。ワイの子ならイジメられず逆に横暴なガキ大将になる気がするわ。こら、頭を下げる練習もしとかなならんやんけ。 52  そうならないために、小さいうちから机にかじりつかせてガリ勉少年にするしかあらへんな。ちゃんと教養を身につけさせれば暴力に走ることもなくなるやろ。
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