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「お疲れ様でしたー」
「あれ?先輩、定時上がりですか?珍しいですね。いつも用がなくても人の仕事を請け負う先輩が」
確かに後輩の言う通りだ。いつもだったら、面倒な仕事で帰りが遅くなりそうな同僚の手伝いをしている。必要とされるのは正直嫌ではないが、今日は駄目だ。
「今日、ミユキの親父さんが来るんだよ。それをすっぽかす訳にいかないだろ?」
「あはは。ミユキさんにべた惚れの先輩には一大事ですね。娘の旦那は親父にとったら敵ですものねー」
「そういう訳だよ。まぁ残業頑張れよ」
そそくさと家路につき、真っ直ぐに帰ったがミユキは玄関で仁王立ちをしていた。
「帰る時間は連絡しろと言ったろ!貴様は言われたことをすぐに忘れる鶏頭なのか⁉」
口は悪いが低身長幼児体型のミユキに迫力は一切ない。つい可愛くて抱き締めてしまう。
「お父さんがもういるんだぞ!血の雨を見たいのか!!」
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