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2人して大満足に食事を終え、食後にコーヒーを頼んだ。
「ハンバーグ、本当に美味しかったですね!!おれ、夢中で食べちゃって、全然会話しなくて…」
「いやいや、私も同じですよ。松下くんが頼んだトマトソースも美味しそうでしたね、また来て食べようと思います。」
「あ!一口あげれば良かったですね!おれもデミグラス気になってたんです!また来ましょう、出来たらおれと!!」
「ふふ、ぜひまた今度。一緒に来ましょうか。オリジナルハンバーグ意外にも煮込みハンバーグも大変美味しそうで気になりますね。」
コーヒーが来るまで、ずっと次来るとき何頼むかで盛り上がっていた。
食後のコーヒーを嗜み、お店が混雑してきたのでお会計をして店を後にした。
時刻は21時を回っていた。
「部長、ご馳走様です。次来たときはおれが支払いますからね!」
そう、今日は私が奢らせてもらった。
けど少し納得していない松下くんに、次回の予約をされてしまった。
お世辞ではなく、本当にまた食べに来ることを匂わせていて、それは少し嬉しく思った。
「わかりました、次回はお言葉に甘えて、お願いしますね。」
私たちは駅に向かって歩き始める。
終わり良ければ全てよし、という言葉通りに、今日はいい日だったと感じてしまう。
「部長、もうお帰りになりますか?」
ん?
「おれの我儘なんですけど、1杯だけ飲んで帰りません?」
ああ、そういうことか。
「ええ、いいですよ。松下くんはお酒結構好きですもんね。そういえば食事にお酒頼んでませんでしたね、気を遣わせてしまいましたか。」
「いやいや!そういうことじゃないんです!!ただ、部長とサシで飲みに行ったこともなかったな、と思いまして。まだ時間が良ければ、1杯付き合ってくれないかなーと…。」
上司と部下で飲みに行ったりするのに憧れもあったのか、松下くんの顔が少し赤いように見えた。
「では軽く1杯行きましょうか。この辺だと…大衆居酒屋はありますが、あっちにイギリスPUBがありますね。私も若い頃は仕事終わりに飲んで帰る、なんてこともしてました。どこか歩きながら入りますか。」
そうして駅前を少し歩きながら悩み、結局PUBへと入った。
PUBはカウンターのところでお酒を注文し、お金を払う。そして出来たお酒を持って、空いてる席に座るシステムだ。彼はこういうお店は初めてだったようで、勉強になります!と私の後について同じように注文していた。
私はシードルといわれる林檎のお酒を、彼はビールを購入した。
「部長、お疲れ様です!」とグラスを持ち上げたのを見て、お疲れ様でしたと、乾杯する。
久しぶりにお酒を飲む。
外国に旅行へ行くと、こういう飲み屋がスタンダードだった。シードルは向こうでは馴染みのあるお酒で、私は結構気に入っている。
松下くんは喉が乾いてたのか、一気に半分くらいビールを飲んでいた。
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