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私が笑い続け、彼が無言で私を見つめてた中。
駅のホームから、池袋までの最終電車が発車いたします、とアナウンスが聞こえた。
私は思わずハッとして、時間を確かめると、
そこには24時12分と表示されていた。
「ご、ごめん松下くん!電車が!電車いっちゃった!」
「あ、ああ、はい。大丈夫です。終電より見逃せないものが目の前にあったんで、そっちの方が大事です。」
「何言ってるのかわからないよ!どうしよう、私は小次郎が待ってるから帰らないと…。近くに友達の家とかある?もし適当に始発まで時間潰すなら…うちくる?」
「え」
….松下くんはすごい勢い固まってしまった。
私は松下くんの肩を軽く揺らして、現実に引き戻す。
「松下くん?起きてる?ね、どうする?私の終電も30分だからそろそろ移動しないと。」
「い…いきます!おれ、部長んち行きたいっす!」
そうして、私はやはり少し酔った勢いで松下くんを家に誘ったのだった。
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