ランチデート

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松下くんと駅前のイタリアンに入る。 曜日別でお得なランチをやっているようで、今日はピザが800円となっていた。コーヒーもついてくる。 店内には立派なピザ窯がある。すでに食事をしている他のお客さんのテーブルから、美味しそうなピザが目に入り、私はピザにしようと決めた。 「松下くん、頼むもの決まりましたか?」 「おれ、ポルチーニのリゾットうまそうだなって見てるんですけど、でもピザもうまそうだなって思って、どっちかで悩んでます!部長は?」 「私はピザを頼もうと思います。松下くんは、リゾットにしましょう。私のピザ少しあげますから、好きなもの両方、食べてください。ね?」 そう言って店員さんを呼ぶ。 松下くんは、じゃあ半分こしましょう!半分こ!って言って嬉しそうにしている。 料理を待ってる間、松下くんは携帯でメールを返しているようだった。先程営業に行ってた御礼のメールかな?そう思っていると、 「部長、取引先にプライベートの連絡先って教えたことありますか?」 と尋ねてきた。 「社用携帯があるなら、そっちは聞かれたことないですね。あ、ですが最近スマートフォンの時代になってから1度だけLINEのIDを渡されたことがありますよ。」 「え!!!!おれそんなことあったなんて聞いてないですよ!!どこの誰ですか!!???」 「はは、何をそんなにムキになってるんですか。  取引先は円山商事の部長さんでね。LINEだったら、海外出張中でも通話が可能だから、何かあったらここに連絡してほしいって渡されたんですよ。」 タイミングよく、電話するほどの案件など発生することなく、登録せずにそのままだ。 「そういう事でしたか…納得するようなしないような。そこからご飯行ったり仲良くなったりしてるわけじゃないんですね?」 「ええ、というか私は結局登録してないですからね。」 そっかそっか、と一人頷いてる松下くん。 ちょうど良く料理が運ばれてきたのでふたりで食べ始める。 取皿をお願いし、私はピザを半分の3ピースを乗せて彼に渡した。 それを見て松下くんもリゾットを綺麗に半分にして渡してくれた。 「半分こして食べるのなんかいいっすね!初めてっすね!」 どことなく嬉しそうな松下くん。 両方食べれて嬉しいんだろう、私も笑顔を見てると嬉しくなる。 「そうですね。松下くん、ピザとても美味しいですよ。リゾットもいい香りしてますね」 「リゾットもうまいです!なんか幸せだなー!」 お昼休憩は1時間。ゆっくり食べたいものだが、お互い食べるときは気持ち早く食べる。 食後のコーヒーも飲みおわり、会計を済ませてお店を出た。 松下くんとはよくランチに行くことから、 お互いの分はお互いで支払っている。最初こそは私が奢りだと言って出していたのだが彼が断ったのだ。 出して欲しくてランチしてる風になるのが嫌なので、そこは控えてほしいです。おれの分はおれが払います、と。 会社に戻る帰り道、彼は今度仕事おわりに良ければ食事行きましょうと誘ってきた。 私は小次郎も待っているし、会社の飲み会には参加するが、いつもはどこにも寄らず帰ることが多い。それに誘われる事もあまりなく、お酒もそこまで強いわけではない。けど、松下くんとランチをするこの時間はとても楽しい。 「たまには良いですね。また美味しいもの食べたいですね。」 「まじですか!やった、絶対ですよ!おれ、時間気にせず部長とご飯食べたいです!俺、部長とランチすると楽しくて、ご飯も美味しさ2倍になるんですよー!」 それは私もそう思う。 松下くんが不在の時のランチや、今日みたいに一緒に食べた日の夜など、ふと静かに思ってしまう。 「以心伝心というやつですね。」 「え、部長なんていいました?!どういう意味ですか?!」 「なんでもないですよ。さ、戻ってきました。午後も仕事頑張りましょうか。」 半歩後ろで松下くんが何やらぶつぶつ言ってるようだが私はオフィスのドアを開けて、営業ボードに書かれてる外食 戻り13時半という文字を消す。 誘ってくれた夜ご飯。 たまには私から予定を聞いて改めてお誘いするのも悪くないですね。
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