重なった想い

ディナーからの…？

今日は金曜日です。
私は週末ともあって、会社向けの書類が溜まってしまって…急いで片しているところだ。

「部長、今日はコンビニご飯でちゃちゃっとランチですか？ちゃんと1時間はゆっくりしてくださいよ？」

長澤さんがまとめた見積書を持ってきて私に言ってきた。私はそれを受け取り、目を通した後に自分の判子を押印する。

「はい、大丈夫です。お返しします。
　今日はコンビニのサラダスパゲティが食べたい気分だったんです。鶏肉と梅味、さっぱりして美味しいですよ。」

ずっと社内にいることが多いため、息抜きも兼ねてお昼は外へ食べにいくことが多いのだが、コンビニのご飯も食べたくなるのは本当。

ただ、今日は残業したくないため、自分が良してして食べながら仕事してしまうのも本当。

松下くんは朝から直行している。
今日は3件、営業して16時に会社に戻ってくるスケジュールになっていた。今日も明るく元気に頑張っていることでしょう。

朝からいい天気で、私はいつもより気持ちよく目が覚めた。新聞の時間を控えて、小次郎と少し遊んできた。遊ぶと言っても、私に付き合ってくれてるかのようでおもちゃ類は長く遊んでくれない。一人暮らしには少し広い平戸を、小次郎はあちこち歩いたり走ったり、自由に動き回ってる。それが彼なりの遊びなのかも知れない。

「小次郎、今日は帰りが遅くなるからね。ここに多めにカリカリご飯を置いておくから、お腹が空いたら食べてね。」

小次郎は分かったのか分かってないのか、朝ごはん食べた後にまたお皿にカリカリをのっけた私を、ボケたのかって目で見つめてるようだった。

午後の部長会議を終え、デスクに戻ると松下くんが戻ってきていた。真剣な目でパソコンに向き合っていたので、私は少し心配になった。

「松下くん、おはようございます。外回りお疲れ様でした。何やら真剣な表情ですが大丈夫ですか？」

「部長！お疲れ様です！はい、滞りなく今日の任務を終えそうです！今先方から少し価格の相談されたので、見積書作成してるとこです。はりきりすぎて真剣なんです！」

楽しみにしてくれてるのかな、任務って、言い方が少し面白いな。隣で長澤さんが意味わかんない、って顔してるのをみてクスッと笑った。

部長会議では、営業部の他に人事部や経理部、総務部、通信販売部といった各部の部長と本部長が参加する会議のことで、いろいろ報告等行う。経理部からは毎回の如く営業部の残業について議題が上がる。

私が部長につく前と比較すると残業率は随分低くなったと。私が悩んでいることに関係している点で、成果が見えると少し嬉しい。売り上げは飛躍して高くなってるわけではないが、人件費の部分を抑えられたら利益は上がる。

この会社はこじんまりとしていて、オフィスも1フロアで収まっている。営業部も、課としていくつか存在するわけではない。一応業務用と小売店用とで担当分けはしているが、上長の印鑑となれば私の役目だ。

営業としては、もう販促に力を入れたい為、人を増やしたいことを提案した。今のままで回っているが、展開を広げるにはマンパワーが必要だと感じている。
利益が上手く算出できている為、恐らく売り上げを伸ばしていくためにも提案は受理されるとほぼ信じている。

通販部では、派遣雇用として働いている従業員が優秀で、もうそろそろ2年となるため正社員にしたいと打診があった。その辺は人事部と話を詰めていくだろう。

営業部に新人が来るなら、私は松下くんを課長としてもう推奨したいと考えている。それともう一人、業務用を担当する中林くんも。実際的な課は存在しないけれども課長という役割を与えて、新しい風を吹かせてあげたい。

…昇給だったり色々社で話しは詰めないといけないから、これはまだまだ、先の話だけども。

私の同期は今人事部の部長をやってるものと、購買部で商品の調達をやってるものと、2人ある。購買部は営業と密になって業務遂行する部分があるため、わりと仲が良い。松下くんも、商品のことで確認したいことがあったらすぐに聞きに行ったりしている。彼はどこの部署からも好印象を持たれていると思う。

頼りになる部下だと、改めて思う。
昇給もさせてあげたいな。