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リビングでそんな事を言う太一にもたれかかって、「いっそ、トランプみたいに、カードにして引いて決める?」とふざけたら、ぎゅうっと抱きしめられて、「奈湖も一緒に考えろ!」と言われてしまった。 だから、そのポートレート集は、2人の合作でもあったから、それが世間で認められたのはとても嬉しいことだった。 素朴な、心が温かくなるような文章と、心が洗われるような星空の写真。 少ないページには、温かさや愛が溢れている、とネットやSNSで話題になり、2人には依頼も増えて、ますます忙しい日々を送ることになったのだ。 それでも、奈湖の撮影に太一がついてくることもあったし、奈湖も太一と一緒に山や野原や、いろんなところに一緒に行った。 楽しくて、幸せで、ずっとこんな日が続くと思っていた。 「太一、お腹、空いてない?」 ここ最近、太一に食欲があまりない様子なのが、奈湖には気になっていた。 確かに、依頼も多く、忙しいことには間違いはない。 当初は星空カメラマンとしてデビューした太一ではあるが、それ以外にも夜景などの依頼もあるのだ。 旅行サイトや、パンフレットに使われるそれらの写真は、現地に行かなければいけないことも多いし、多忙ではあった。 「んー、奈湖に会ったらなんか、お腹いっぱいになっちゃったな。」 「もうっ!適当なこと言って!」 「あはは、単なる夏バテだよ。毎年そうだろ?夏場は食欲落ちるじゃん。」
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