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(へ)瀬衣
―――··*··―――
セイは天の川からこっそり下界を見下ろした。
下界に星星の輝きはないのに、何故か人人の顔は輝いている。そんな人間の一喜一憂する顔を見るのが好きになったセイは、ある日、機織りの音を聞いて胸がわくわくと高鳴った。
機織りの音に耳を澄ませているうちに、セイはころんと逆さまになってしまい、あろう事か天の川から下界に落ちてしまったのだった。
落ちた衝撃で記憶を欠いたセイは、川べりにいた一人の女に助けられた。
女の名前は香々。
香々は記憶を欠いた女童を保護し、一時的に自分で育てる決意をする。だが幾年月が経過しても天からの迎えは来ず仕舞いであったので仕方なく香々はセイへ名前を与える。
素瀬に上質な衣を与えてくださるようにと、――星に瀬衣と名前を与えた。
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