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「悪いものはほとんど自分で吐き出していたようだし、命には別状ないでしょう。」
動物病院の先生が言った。
眼鏡をかけたとても優しそうな先生だ。
僕は柾さんに抱かれて診療台の上のこうたを見下ろしている。
こうたはもう苦しんではおらず、“てんてき”というのをしてもらいながら眠っていた。
コタローさんは柾さんの足元に黙って座っている。
「よかったぁ……。」
先生に劣らず見るからに人の良さそうな柾さんはホッとしたように呟き、先生に向かって頭を下げた。
「先生、ありがとうございました。休診日の、それもこんな遅い時間に無理言って本当にすみませんでした。」
「いやいや、ちょうど入院してるコ達の様子を見に降りてきたところだったのでいいタイミングでしたよ。ただ二匹ともとても痩せていて栄養状態が悪いようなのでしばらく入院してもらって様子を見たいのですが、いいですか?」
「もちろんです。よろしくお願いします。」
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