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やがて車は停まった。
ドアが開き、パパは僕達のキャリーを持って歩き出した。
しばらくガサガサという音が続き、そのうちキャリーがトンッと下に置かれた。
ザザーッ……トクトクトクッ……。
何かの音が止むとキャリーの扉が開いた。
そこから見えた外は暗い。
?????
わけがわからずこうたと顔を見合わせる間にも、ガサガサと草を踏む足音は遠ざかっていく。
僕とこうたは恐る恐るキャリーから顔を出した。
周囲にはキャリーより背の高い草が生い茂っていた。
すぐそばの比較的平らな場所に置かれたふたつの器には満杯の水と山盛りのごはん。
ああ、そうか。
最初からそのつもりだったのか予定が変わったのかはわからないが、どちらにせよ結果は同じ。
つまり、僕達は捨てられたのだ。
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