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僕達が捨てられたのは河原の草っぱらだった。
草に覆われた斜面を登ると車がようやくすれ違える幅の道路があった。
車はあまり通らないが自転車や人は時々見かけた。
まだ小さい僕達の体は草に埋もれてしまい道路からは見えないようだった。
パパが置いていったごはんは翌日の夜には無くなってしまった。
僕達が食べた以上にこの辺りに住みついている大きな猫達が数匹やって来て食べてしまったのだ。
僕達はそれに気づいていたけどどうすることもできなかった。
まだ一歳足らずの僕達がたくさんの大人の猫に敵うわけがない。
僕達はキャリーの中で息を殺して大きな猫達が立ち去るのを待った。
その夜は水を飲んで空腹を凌いだ。
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