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明道花那は死んでしまったらどうなってしまうのか深刻に悩んでいた。
きっかけは寒さの厳しさが最高潮を迎えたような二月十日の夜の事だ。
祖父の夏夫は熱湯の湯船に浸かる事が何よりも好きだった。寒さが身に染みるようなその日も当然一番乗りに湯気が立ち上る風呂に嬉々として入る。
まず最初に異変に気が付いたのは花那だった。
祖父が上がり次第入浴をしようと考えていた花那だったが、待てども待てども祖父は風呂から上がろうとしない。
痺れを切らして風呂場のドア越しから声をかける。
「ねー、おじいちゃんー、まだー?」
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