泣いている孫へ

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 祖父の身体が火葬で骨と灰になってしまってからも、毎晩のように風呂場で祖父の死体を発見する夢を見ては(うな)されるようになった。  悪夢から覚めるといつも思い詰めてしまう。  湯の中で事切れるというのはどれほど苦しいものなのだろうか? あの時花那の力がもう少しあれば祖父を救い出す事ができたのではないか? 祖父は花那を責めているだろうか? 怒っているだろうか? 祖父は今も苦しんでいるのだろうか?  大好きだった祖父が死んでしまって悲しいはずなのに、こんなに祖父の死を(いた)みたいのに、涙を流す理由はいつも恐怖と不安でいっぱいになっているからだ。それが何よりも辛い。  父、母、祖母、果ては担任の先生にまでこの悩みを打ち明け相談した。花那を励まそうと皆一生懸命に答えてくれたけれど、言っている事はてんでバラバラでどれも本当の事ではないように思えてならなかった。  そうこうしているうちに学年が上がって小学五年生になった。恐怖と不安は雪のように降り積もっていて、いつかこの心が押し潰されてしまうのではないかという怖れがまた一つ増えて途方に暮れる。
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