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第一話ᕷ˖°昔の恋人が性転換してた件について。
俺は今、あまりの驚きに硬直していた。
なぜって?
それは、昔の恋人が性転換していたからだ。
声をかけられた時、誰だかわからなかった。
それもそのはず、“性別”が
変わっているんだからわかるはずがない……
『驚いた?』
性別が変わっても笑顔は変わってなかった。
『驚き過ぎて硬直してた』
何故、性転換したのかは
訊きたい気持ちと訊きたくない気持ちが
入り交じって複雑だ……
男子校だった関係で皆、
同性同士の恋愛には
そこまで偏見を持っていない。
中には他校に彼女がいた奴もいたが。
そんな中、俺達は二年から三年の間の
一年間、付き合っていた。
大学進学の際に進路が別れた
俺達は恋人関係も解消した。
それから十年。
『僕が性転換した理由はね、』
自分から話してくれるのか。
『〚寿柾と結婚したかったから〛
って言ったらどうする?』
まだ、俺のことを
好きでいてくれたのか!?
『〚本気か?
俺は嬉しいが……〛』
性転換の理由が本当なら
勿論、嬉しいし、
可笑しな言い方だが
合法的に結婚ができるわけだ。
『〚よかった、
寿柾に断られたら
僕は一生独り身に
なるところだったよ(笑)〛』
おいおい、それは
俺以外とはなっから
結婚するつもりは
なかったってことだよな?
『〚また、
僕と付き合ってください〛』
先に言われちまったな(苦笑)
『〚よろしく頼む〛』
俺達はまた同じ道を歩き始めた。
今度は何があっても
その手を離さないから
ずっと側にと願った。
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