〜第9回〜呪いの歌〜

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〜第9回〜呪いの歌〜

ルル 「こんばんわ。第9回始まります。『どうぶつ達の本音』のコーナーでございます。MCを努めます。僕、ダックスフンドのルルと。」 ハナ 「私、トイ・プードルとチワワのハーフのハナです。よろしくお願いします。」  踊りたくなる楽しげなケルト民謡のBGMが流れる。 ルル 「今日はちょっと肝が冷える体験をしました。」 ハナ 「どんな体験ですか?」 ルル 「お昼にですね。食べる事が出来るタイプの 柔らかい歯磨きボーンを2本噛んでたんです。その2本目を噛んでいる時に事件が起きました。  一口分食べただけの、あと4〜5センチは残っている歯磨きボーンを誤って喉でつまらせてしまいました。  長い時間取れなくて息が出来なくてこのまま死んでしまうのではと思いました。怖かった〜。」 ハナ 「ひゃ〜。やめて下さいよ?死因が誤嚥(ごえん)なんて。せめて老衰でお願いします。まだこっちに来てはダメ。」 ルル 「まだ色々話したい事やりたい事あるし、まだまだ生きますよ。15年生きていますが、僕たちの年齢で言えば約76歳!それがなんだ!まだまだ僕は若いぞ〜!」 ハナ 「そのいきだ!えいえいお〜!」 ルル 「えいえいお〜!」 ハナ 「さて今日のお便りです。動物名、トイプードル。ハンドルネーム、『唐揚げ』さんです。」 「こんばんわ。僕は人間のお兄ちゃんと一緒に住んでいます。二人暮らしです。  お兄ちゃんは、寡黙な人でいつも色んな本を読んでいます。時々僕には絵本を読んでくれます。  学校がお休みの日にはお散歩に行ってボールで沢山遊んでくれます。  そんな優しい自慢のお兄ちゃんに最近新しく趣味ができました。  音楽を流してお歌の練習をする事です。  ですがお兄ちゃんは絶望的に歌が下手で、苦しそうなうめき声みたいな声で歌います。  歌が始まるとあまりの恐怖に僕の体はブルブルと震え動けなくなります。  どうすればいいでしょうか?」   ハナ 「というお便りでした。」 ルル 「苦しそうなうめき声は怖そうですね。想像ができないです。」 ハナ 「歌の練習って事は、唐揚げさんは長い間恐怖で震え続ける事になるのですね。うぅ……。可哀想に。ルルさん、なんとかならないですか?」  ハナは涙ぐむ。 ルル 「そうですね。どうしたらいいのか……。あ、そうだ!いっその事唐揚げさんも一緒に歌を歌うのはどうでしょうか!  歌を歌うと怖い気持ちが何処かへ行くと言いますし、それにお兄ちゃんにお歌を教える事が出来るので一石二鳥!」 ハナ 「ふんふん。もしお歌を教える事が出来なくても、自分の声で掻き消す事が出来るので良いかもしれないですね!」 ルル 「僕もお歌は自信が無いのでお兄ちゃんの歌が上手くなりたい気持ちも分かります。  いつか上手く歌えるようになって、お兄ちゃんも唐揚げさんもハッピーな人生が送れるといいですね。」 ハナ 「唐揚げさん。お便りありがとうございました。またお便り楽しみにしております。 『どうぶつ達の本音』のお便りは、どうぶつラジオ局のどうぶつ達の本音係によろしくお願いします。」 ルル/ハナ 「せ〜のっ!もしかしたら、次はアナタのお便りが読まれるかも!どうぶつ達の本音コーナーでした!またね〜」
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