〜第13回〜バイブスぶち上げ〜

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〜第13回〜バイブスぶち上げ〜

 ラジオ放送開始20分前。    ルルはいつも通り、ラジオスタッフと軽く談笑をしてから、放送室の定位置に座る。 「あれ。ハナちゃんは?」  いつもこの時間帯は既にハナは座っているのだけど、今日はまだいない。  「シーマさん、ハナちゃんはまだ来てないんですか?」  とシマウマのマネージャーさんに聞いてみると、「まだっス。」と短く返事が返ってきた。 (うーん。まぁ、まだ時間あるし待つか〜。)   〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜    待っている間仮眠をしていると、シーマさんに起こされる。 「ハナさん、今日は体調不良でお休みらしいっス。今日はラジオ一人でお願いするっス。」 「体調不良!?わかりました。今日はよろしくお願いします。」  シーマさんは、ルルに「元気出して下さい。ハナさん早く元気になったら良いっスね。」と声をかけ放送室から出た。  ルルは不安に駆られるも放送時間がきた為、深く深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。 「放送はじまりまーす。3、2、1。」 「こんばんわ。第13回始まります。『どうぶつ達の本音』のコーナーでございます。MCを努めます。僕、ダックスフンドのルルです。よろしくお願いします」   落ち着いたバラードがゆっくりと流れる始める。 「リスナーの皆さんごめんなさい。残念ながら体調不良でハナさんはお休みですので、今日は僕一人でございます。寂しいですが頑張りますね!」 「え。僕一人だと聴く気が失せるですって?酷いな〜。僕だって頑張ってるのに〜。」  ルルはあざとく拗ねてみせる。 「まぁそんな事言わずに、聴いてって下さいな。」 「この前、粉コラーゲン生活始めることになったって言っていたじゃないですか。」 「実はですね、トエッターで応援してくれる方が多くて、三日坊主を克服し4日目突入です!!パチパチパチパチ〜!」  スタッフも拍手をあげる。 「皆さんありがとうございます!これからも頑張りますね!」 「では、今日のお便りを読んでいきましょう!動物名、オットセイ。ハンドルネーム、『クレイジー』さんです。」 「Good evening! こんばんわ〜!  きいてよ〜! おれっちは水族館で働いてるんだ!  おれっちは輪っか潜り、宝探し、ボール遊びがだ〜い好きで得意なんだ!  遊びでありお仕事でもあるから、毎日い〜っぱい練習するんだけれど、最近好きな子とお付き合いする事ができて、テンションが上がり過ぎてお仕事中に体を痛めちゃったんだ〜。  輪っかくぐりは上手に出来たんだけど、宝探しでは突き指をしてしまい。  ボール遊びは、鼻先にボールを乗せて体を()る態勢をするんだけど、その時腰がグキっとなって痛いんだよね〜。  ほんとクレイジー!  みんなもテンション上がり過ぎて失敗した事ある〜?  あ!良かったら僕の水族館に来てね!大歓迎するよ!バァーイ!」 「と言うお便りでした。おお〜凄い!好きな子とお付き合い!おめでとうございます!羨ましい!」 「良いな〜、僕は告白した事もされた事もない。クレイジーさんお幸せに!是非水族館も観に行きたいです!」    お便りにクレイジーさんのサイン入り入場チケットが同封されている。 「あれ?……あはは!サイン入りのチケットが入っている。これは益々(ますます)観に行かないと!ありがとうございます。」 「そうそう。テンションが上がり過ぎて失敗でしたね。僕もありますよ!」 「これは小さい頃の話ですが、大好物のおやつとご飯を食べた後に、車に乗って遠出をする事になって、遠出をして遊んだ事がなくて車の中ではしゃぎまくったら酔ってしまって。食べた大好物を全部吐いてしまった事がありました。」 「あの時は、大好物を吐いてしまったショックと車酔いで気分が最悪になってずっと泣きました。」  「車では二度とはしゃがない。これ教訓ですね。」 「クレイジーさん。お便りありがとうございました。またお便り楽しみにしております。 『どうぶつ達の本音』のお便りは、どうぶつラジオ局のどうぶつ達の本音係によろしくお願いします。」 「もしかしたら、次はアナタのお便りが読まれるかも!どうぶつ達の本音コーナーでした!またね〜」
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