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〜第15回〜神の気まぐれ〜
ラジオ放送開始20分前。
ハナはいつも通り、放送室に入りルルを待つ。
体は軽いが、今日のハナは気分が沈んでいた。
(はぁ。昨日は言い方強過ぎたかな……。)
ガチャ。
「おっはよ〜!ハナちゃん!」
しばらくすると、ルルがいつものように元気よく放送室に入ってきた。
「おはよー。」とハナは力なく挨拶する。
「あれ?ハナちゃん、大丈夫!?また調子が悪いの!?」
ルルはハナの様子に気づき心の底から心配する。
「いや、大丈夫。そうじゃなくて……。」
ハナは言いづらそうに俯く。
「そうじゃなくて?」とルルはハナの側でしゃがみ込み、顔を覗き込んだ。
「昨日は言い方が強かったかなって思って。ごめんね、ルル兄。」
「昨日?……ああ。大丈夫だよ!ああほら泣かないで〜!僕が約束を破りそうになったから止めてくれたんじゃないか。ありがとうハナちゃん。」
可愛い顔が台無しになるよ〜。と言いながら、ポケットから花柄ハンカチをハナに渡す。
「ありがとうルル兄。ふふっ……。花柄のハンカチって。」
ハナの顔に笑顔が戻る。
「うんうん。やっぱりハナちゃんには笑顔が一番!」
ルルは満足そうに笑って席に戻る。
「あのね」ハナがそう言いかけると、スタッフから声が掛かる。
「放送はじまりまーす!」
「あ、やっぱりなんでもない。時間だ!気合いを入れるぞー!」
ハナが何か言いかけた気がしたけど、時間なのでルルも「おー!」と気合いを入れた。
「3、2、1。」
ルル 「こんばんわ。第15回始まります。『どうぶつ達の本音』のコーナーでございます。MCを努めます。僕、ダックスフンドのルルと。」
ハナ 「私、トイ・プードルとチワワのハーフのハナです。よろしくお願いします。」
K-Popアイドルの曲が流れる
ルル 「皆さん、いつも流れているBGMありますよね。コレ、誰がいつも選曲していると思いますか?」
ハナ 「え、ルルさん知ってるんですか。私知らなかった!誰なんですか?」
ルル 「なんと、このどうぶつ局の社長兼、神様です。社長の超気まぐれで選曲しています。」
ハナ 「今人気の!?みたいな選び方じゃないんですね。」
ルル 「社長は気まぐれな方で、時々ふらっとラジオ局に立ち寄り今ハマっている曲、または自作の曲を置いていきます。それを私たちがラジオで流すという一連の流れになっています。」
ハナ 「自作の曲!?」
ルル 「第12回のエリザベスさんの時の、『カエルのアカペラ』曲が代表的ですかね。」
ハナ 「不思議な選曲だなと思っていました!」
ルル 「歌手のカエルさんは『緊張して寿命が縮んでしまうのでは』と、カラダをガクガクと震わせながらコメントを残しておりました。」
ハナ 「本物の動物界の神様ですものね、社長。私も初めて会った時凄く緊張しました。今も緊張しますし。」
ルル 「動物で歌手をしていらっしゃる方、もしかしたら次は貴方にオファーが来るかもしれません。」
ハナ 「その時は頑張ってくださいね!」
ルル 「そして、実は七夕に来てくださったゲストのサイン。10名の当選者が決まりました!」
ハナ 「やっと決まったんですね!何で決まったのでしょう!」
ルル 「くじ引きです!恨みっこ無し!当選者には明日には届くと思います。お楽しみに!」
ハナ 「お楽しみに!」
ルル 「今日も聞いてくださりありがとうございました!『どうぶつ達の本音』のお便りは、どうぶつラジオ局のどうぶつ達の本音係によろしくお願いします。」
ルル/ハナ 「せ〜のっ!もしかしたら、次はアナタのお便りが読まれるかも!どうぶつ達の本音コーナーでした!またね〜」
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