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それからは、まず神様の隣で何をすれば良いかを学ぶ為、ひたすら神様の隣を引っ付いて様々な物を見聞きしました。
前にいた部署の事は神様が、
「これから下界に記憶を残したまま小さい動物に転生させる。小さい動物の生き方を学ぶように、大変さを学ぶように。その生が終わった後、それでも改める様子がなかったら消滅させる」
と前の部署に居た私をいじめていた者全員に飴玉を食べさせ、私の目の前で下界に転生させました。
「今すぐにでも、魂を消滅させてしまいたい程、彼らは許し難い行いをしていた。でも、そこまで配慮がいかなかったのは私の責任でもある。」と謝ってくれました。
神様、あなたは私の努力を認めて秘書にしてくれて、私に新しい名前をつけてくれました。
更に、下界にいた頃の大切な、大切な私の名前を調べてくれると言ってくれました。
私には充分過ぎるくらいです。
それから半年が過ぎたあたりから、本格的に仕事を始めて早20年。
神様が私のアイデアをどんどん買ってくれて、この中間界は見違えるほど変わりました。
神様がたくさん褒めてくれるので、調子に乗って好き放題企画を出しました。
それはそれは沢山。神様に体調を心配されるほどに。
各々の動物に合う道具作りの発案、仕事の割り当て、仕事する前に教育を受ける期間と、その試用試用期間を設けました。
その際、他の動物達に対するコミュニケーションの仕方と、考え方の教育をしてお互いの事をよく知り、お互いにストレスのない環境でより質のいい仕事が出来るようになりました。
今まではぶっつけ本番で仕事をして、道具が体に合わない、社員間の関係も良くない状態で、ストレスが溜まり過ぎて人知れず消滅する者が続出していました。
(ちなみに私は、あの時神様に拾われてなかったら消滅するところだったようです。)
下界で寿命を全うした者が、転生する前に心を浄化する天国に行く前に、「下界に心残りがあるから降りたい!」と希望する者がいるので、生者への悪戯防止の為に規則を設けて、その教育機関を充実させた。
これは、今までお盆に下界に降りた動物の魂が生者に悪戯をしたり、戻ってこない者も多く、
その【魂を連れ戻す者】いわゆる【死神】と言う役割の社員がストレスの溜まり過ぎで消滅する者が頻繁に続出してたので、
下界に降りる時、「ルールを守らない魂は自動的に消滅する」と言う契約の飴玉を食べさせる事によって、死神のストレスも減りました。
とても長くなりましたが……。
最後にコレが一番重要です。
もう私、道具作りの次に力を入れて取り組みましたよ。
私が前の部署に居た頃、下界にいた頃の記憶に思いを馳せたアレです。
【癒し】です。
この中間界は、と・に・か・く!
自分に合った遊びがない!!癒しがない!楽しみもない!プライベートで話合う相手もいない!
そりゃあ、消滅したくもなるわ!!
毎日、毎日、毎日毎日毎日、同じ事の繰り返しで何一つ私の心を回復してくれるものはない!!
はぁ……はぁ……はぁ……。
あの頃を思い出して心が乱れました。すみません。
あるのは、仕事で頑張った者に上司が部下にポイントを与えて、一定のポイントが溜まったら、自分の転生先と転生した時のステータス、容姿、種族など色々決めれる権限がもらえる。というものだけ。
欲しいですよ。そりゃあ。だって転生後の自分を自由自在に決める事が出来るんですよ?
ですがそれ以前に、私のように、上司と関係を築けない、そもそも道具が合わず仕事が出来ないなら、評価が貰えなければ、ポイントも貰えないのですよ。
だから私は作りました。癒しになるものを。
【テレビ局】と【ラジオ局】です。
この企画や先程の企画達は、下界にいた頃の、人間達の娯楽や社会の仕組みを全て参考にしました。
盗めるものは盗んで環境改善です。
改めて考えると、自分で考えたのは本当に少ないので、少し心が痛むような気がしますが、そんな甘い事は言ってられません。
皆んなの…いえ、誰よりも自分のストレス改善の為です!
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