2-1 人物伝 序言

1/1
前へ
/22ページ
次へ

2-1 人物伝 序言

ごきげんよう、崔浩である。 衆人に取り、歴史の楽しみ方は 概ね人物萌えである。 故に人物に焦点を当てて 紹介するのは外せぬ仕儀であろう。 斯くなる次第により、人物録を設ける。 晋書魏書に名が残るすべての君主と、 作者の基準にてフックとして 成立しうると判断した諸人物を紹介する。 選出時期は、原則として 晋の天下統一以後、 南朝にては東晋滅亡以前、 北朝にては北魏の華北統一以前、 にメインステージがある人物とした。 これは基準を曖昧にしたくないから、 と言う理由である。 前後の面白き人物にまで 目を向けていたら切りが無い。 以下に、各カテゴリについての概要を示す。 全192名である。 君主 要は各勢力の元首である。ただし西燕北燕辺りは書いていて「お前ら皇帝枠に入れんのおかしくね?」と感じたり、また晋書に立伝されていないことなども踏まえ、やや雑に扱っている。全91名。 顕名 下手な君主なぞよりも圧倒的に大きな存在感を示す人物たち。五胡国家の性格上ちょっと突出した人物はすぐに国を建てるので、どうしても東晋に偏りがちである。と言うか東晋でない顕名カテゴリの人物はもう、ここにカテゴライズされている時点でいろいろおかしいと見做して頂いてよろしい。5名。 群雄 君主カテゴリには入らぬが、ある程度独立した勢力を保持した人物。と言うか永嘉の乱周りの諸人物はどうにもカテゴリ分けが難しく、この別枠を設けざるを得なかった。そのついでに五胡十六国には含まれぬが割と大きな存在感を示す禿髪樹機能、慕容吐谷渾もこちらに入れている。7名。 宰相 文官の内ナンバーツー的立場にいた人物。補佐役枠は浪漫枠である。12名。 名将 みんなちゅきちゅきだいちゅき将軍様枠である。武功だけで見ればいくらでも面白い人物を上げられようが、切りがないので主要国主要武将のみとした、つもりである。27名。 文官 ナンバーツーというのは少し違うのだが、カッコイイ治績を残している人物。清談趣味はないので風雅を解した系顕名はシカトしている。14名。 列女 この時代に生きる女性たちは、どうしても女傑ばかりが目立つ。やむを得ぬことであるのだが。6名。 文化人 血生臭い皆様が目立つ中で存在感を示す文化会系の方々であるから、当然まともではないと認識しうる。5名。 翻弄 五胡十六国時代の荒波に翻弄された人物。ある意味ではこの時代を象徴する人物たち、と言っても過言ではあるまい。そういう意味では慕容垂などこのカテゴリのトップクラスなのであるが、それ以前に君主であるのでここに入れようがないのであった。8名。 佞臣 政権を荒らした、と評価される人物。一応は評価基準で分類している。と言うのも慕容ひょ、いやまあその辺りは当人の項にて語ろう。7名。 逆賊 叛乱をした人物。普通に反乱者ばかりではあるのだが、どう考えても慕容沖はここであろう。と言うか慕容一族……。10名。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加